忠臣蔵のテーマは愛!?無骨な物語に隠されたロマンチックな真実とは?

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忠臣蔵のテーマはズバリ「愛」です!

忠臣蔵で語られる愛とは、異性に向けられたものだけではありません。

家族愛・親子愛・兄弟愛と様々な愛の形が忠臣蔵には登場します。

「赤穂事件」という実際の事件を基に描かれた忠臣蔵には、赤穂藩士47名をはじめ多くが実在の人物です。

その忠臣蔵の登場人物ひとりひとりに家族の愛の物語があったのです。

悲しくもせつない忠臣蔵の愛の物語をご紹介していきます。

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目次

忠臣蔵の赤穂藩家老・大石内蔵助と妻のすれ違い愛に涙する!?

離婚するのは、結婚するより大変だとよく言います。

ところが、赤穂藩家老・大石内蔵助(おおいしくらのすけ)は違います!

「愛人と一緒に住みたいから、家から出て行ってね。ついでに母親も連れて実家に帰っていいから」

いとも簡単に、あっさりと言い出しました。

夫・大石内蔵助を信じていた妻・理久は、これには驚き、悲しみます。

この頃、大石内蔵助には徳川幕府の監視がついていました。

吉良上野介殺害計画を妨害するためについていた徳川幕府の監視をだますために、大石内蔵助は毎日酒を飲み歩いていました。

家族は事情を知りませんでしたが、妻・理久は何か意味があると思っていました。

それが突然離婚を言われて、裏切られた思いに悲しむ妻・理久。

悲しみの中で母と子供を連れて実家へ向かう大石内蔵助の妻・理久を追ってくるものがいます。

大石家の使用人・寺坂吉右衛門だったのです。

「大石様からの伝言があります」

寺坂吉右衛門は、大石内蔵助から家族への伝言を持ってきたのでした。

「吉良上野介殺害計画が成功しても、徳川幕府からは罰を受けるかもしれない。そのときに、家族が一緒に罰を受けることがないように、 家族の縁を切ることを許して欲しい

夫の苦しい胸の内がわからなかったことに妻・理久は後悔します。

同時に、夫・大石内蔵助が家族を守るためにしたことに安心します。

忠臣蔵では、『山科の別れ』というこのシーン。

互いを想うからこそすれ違う、夫婦の愛情が見どころです。

忠臣蔵では息子の思いを知らない父親の愛が死をもたらす!?

「踏みとどまれば忠ならず、江戸へ下らば孝ならず」

旧赤穂藩士・萱野三平(かやのさんぺい)は、この言葉を残して腹を切って自殺します。

28歳だった萱野三平は、赤穂藩へ藩主・浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかったという第一報を知らせた一人です。

赤穂藩がつぶれたあとの萱野三平は実家へ帰っていました。

もちろん、吉良上野介殺害計画には参加することを萱野三平は誓っていました。

吉良上野介殺害計画があることは、情報が漏れることを警戒して身内でも言わないことになっていたのです。

そんなことは知らない萱野三平の父親は、仕事をなくして帰ってきた息子のために職探しに走り回ります。

やっとの思いで探してきた仕事の先は、なんと宿敵・吉良上野介に縁のあるところだったのです。

仕事があって良かったと喜ぶ父親の姿を萱野三平は複雑な気持ちで見つめます。

「この仕事につけば赤穂藩主・浅野内匠頭への恩を返せない。 このまま江戸へ行けば親孝行にならない

どちらをとることもできずに迷った萱野三平は、死を選びます。

自分の息子が誰よりも真面目な子であったことを知っていたはずなのに、赤穂藩主・浅野内匠頭への恩を忘れるはずがないことをわかってあげられなかった父親はとても後悔します。

吉良上野介への復讐を成功させた赤穂藩士たちは、48人目の赤穂藩士として萱野三平と書いた紙を一緒に掲げて歩きました。

忠臣蔵の有名なエピソードは、そのほとんどが創作です。

ただ、萱野三平のエピソードは記録もあるのでほとんど本当の話だと思われます。

吉良上野介殺害を成功させた赤穂藩士の墓と一緒に、萱野三平の墓も並んでいることもその証拠です。

忠臣蔵では息子のためなら自殺もする愛情の強い母親も登場!?

「これも吉良上野介のせいだ!!」

自殺した母親を前に絶叫した旧赤穂藩士・原惣右衛門(はらそうえもん)は、忠臣蔵では大石内蔵助の参謀です。

事務処理も武芸にも優れた原惣右衛門は、当時55歳で管理職でしたが信頼も厚い男でした。

いよいよ吉良上野介殺害のために江戸へ向かうことが決まった夜。

原惣右衛門は年老いた母親に吉良上野介殺害計画があることを打ち明けます。

きっと自分の息子は、赤穂藩主・浅野内匠頭の恩を忘れてはいない。

その無念の想いを晴らすために、立ち上がるはずと思っていた母親は喜びます。

私は武士の妻・武士の母。

私のことを心配して吉良上野介を殺害することをためらってはいけないと、母親は自殺をするのです。

吉良上野介さえいなければ、母も死ぬことは無かったと決意を胸に原惣右衛門は江戸へ向かうのでした。

息子のためなら死ぬことさえ迷わない、母親の愛情の強さを感じます。

忠臣蔵には兄弟の愛がもたらす感動のエピソードがある!?

三度の飯より酒が好き、大酒飲みの旧赤穂藩士・赤埴源蔵(あかばねげんぞう)は兄の家に迷惑ばかりかけていました。

兄の家に来るときは、金をもらうか酒を飲むかのどちらかの用でしかきません。

赤埴源蔵も兄に迷惑をかけていると思いながらも、吉良上野介殺害計画を話すわけにもいかず、ただただ甘えるばかりです。

赤埴源蔵の兄の妻には嫌われていましたが、兄はたった一人の弟と嫌な顔せずに接していました。

12月14日の夜に、兄の家にやってきた赤埴源蔵でしたが兄は留守でした。

兄がいないことを残念がりながらも、使用人に兄の服と酒を出すようにいいます。

兄の服に向かって何か言いながら酒を飲む赤埴源蔵を、使用人は酒の飲むすぎでおかしくなったのかと思っていました。

赤埴源蔵が帰ると入れ違いに戻ってきた兄に、使用人は赤埴源蔵が来ていたことを伝えます。

「源蔵は何か言ってなかったか?」

「西に仕事ができたのでしばらく帰らないと言ってました。来年のお盆には戻ってくるそうです」

12月24日 → 赤穂藩主・浅野内匠頭の月命日
西へ仕事 → 天国のあるところ
お盆に戻る → 死んで帰ってくる

兄は気付きます。

今日こそ吉良上野介殺害計画がいよいよ実行されるのだということを。

翌日、旧赤穂藩士が吉良上野介への復讐に成功したと聞きます。

兄弟だからこそ、弟の残したヒントに気付けたのかもしれません。

実在の赤埴源蔵は酒が苦手だったといいますが、兄の家に行ったことは事実のようです。

ここまでドラマチックなことはなかったでしょうが、兄弟最後の別れはせつないものだったと思います。

忠臣蔵のテーマは愛!?無骨な物語に隠されたロマンチックな真実とは?まとめ

この時代の江戸は、世界で一番人口の多い巨大都市でした。

全国から仕事を求めてやってきた地方出身者でいっぱいでした。

故郷に残した家族のことを思って、ホームシックになった人もいたことでしょう。

忠臣蔵に登場する人物が、故郷の家族や親兄弟を想い、悲しみ、苦しみ、悩む姿を自分の気持ちと重ね合わせたのかもしれません。

忠臣蔵は、そんな寂しい江戸の人々の心に響いたのかもしれません。

互いを想うからこそすれ違う、夫婦の愛情が見どころです。

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